ソウル釣りクラブBass Master Tournament 2007 オープン戦



サンジ・ナクシ・ランド、シンガル貯水池  2007.3.18
参加者:国士無双、2流3、トム、スイル、ビギ、セミプロ、Papasaurus, ヌマタク、ヌマタクJr., Peewee(文責)

1.懺悔

兄弟を見捨てて勝ちに走った初参加のPeeweeです。
今回の釣行記タイトルは「ソウル釣りクラブ Bass Master Tournament 2007 オープン戦」とやたらに長いですが、
元々は生まれて初めて釣りに挑戦するPapasaurusさんとヌマタクJr君、釣りが3回目のヌマタクさんの筆下ろしを助けようと
有志の方に集まって頂いたところ、人数が増えてタイトルのような試合形式の釣行となったものです。
そういう意味では、「筆おろしのお手伝い」と「試合に勝つ」という二つの相反するテーマが共存する釣行となったわけです。
この事が終始私を苦しめました。
ヌマタクさんもPapasaurusさんも私の会社の同僚(通称:菱兄弟)で、
私が釣りに誘い込んだので本来ならちゃんと教えてあげなくてはいけません。が、結局、私は友を見捨てて勝ちに走り、生涯初めて参加したバス釣り競技で勝たせてもらいました。
一方、菱兄弟達は良型のニジマスを全員が仕留めたものの、本命のバスは坊主。。
兄弟よ許してね。今度はちゃんと教えるから。でも、今度は入門書くらいは読んできてね。

2.サンジ貯水池
@筆おろし
先ずは菱兄弟の筆下ろし優先ということで小型ながら数の出るサンジへ。
晴天、無風、ポカポカ陽気の好コンディション。

先ずは菱兄弟の中では一番キャリアの長い私が基礎を教えるべく車のトランクから各自道具を出してもらいました。
その時です、スイルさんに見つかってしまいました。菱兄弟達は2週前に私と一緒に道具を買いに行ったのですが、
箱にすべて綺麗に入ったまま、しかも値札付きで今回持ってきたのでした。
それを見たスイルさんから
「池に来る前にセットアップ位教えておくべき」
と鋭いご指摘。ごもっともです。反省1(-_-;)

更に国士無双師匠からも
「普通は嬉しくて箱から取り出していじくりまわした後枕元に置いて寝るものだ。君は何か兄弟達に大切な事を伝え忘れてないか?」
とお叱りを。ごもっともです。反省2(-_-;)

頭を掻きながらふと周りを見るとご両人以外すでに駐車場には誰もいません。
昨日の友は今日の敵。全員狙ったポイントへ一目散。
釣師の友情と「教えてあげるよ」はあてにしちゃいけません。反省3(-_-;)

既に竿を振っているのが遠目に見えます。ちょっと動揺。でも義務感に燃える私はそこからリールの取り付け方、糸の通し方、
ルアーの結び方をジワジワと心の奥の方にアセリをにじませながらも教えました。
何とか様になるまでどれ位時間が掛かったでしょう。そのとき、向こうからニコニコとスイルさんとトムさんが帰ってきて、
もう何匹か釣れたと言うではないですか。激しく動揺。

早速、スイルさんが生体反応を確認した南向きの浅場へ全員を誘導し、
それからは手分けして兄弟達にキャスティングを教え、ミミズみたいなルアーを付けたダウンショットリグ(胴突仕掛)で誘いながら探らせました。
すると直ぐに今回バス釣り三回目のヌマタクパパにヒット。やっぱり馴れは重要です。竿が満月で、皆がおー!とと、あれ?赤い線が。ニジマスでした。いいのいいの。釣れれば。40オーバーの良型の引きを楽しんで無事取り込み
オヤジ、満面の笑み♪
ました。オヤジの沽券を保ってニコニコ。中学生のJr.がこのときオヤジを尊敬の眼差して見つめていたのを私は見逃しません。釣りの良いところ再確認。オーシ、これで三分の一義務達成。ヌマタクパパはこれで投資も回収。

さ、後二人。

Jr.は流石に覚えるのが早くてキャスティングが楽しいと片足を水に突っ込んでいるのに気付かずビュンビュン沖へ投げはじめました。筋がいいですし、その無心さに心打たれました。騙しと邪心に満ちた大人の釣りをしてきた濁った心が洗われました。しかし、釣れない。丁寧に方向変えて探ってもらっても釣れない。
スイルさんもPapasaurusさんに付きっ切りでアドバイスするが釣れない。ちゃんとキャスティングも誘いも出来るようになってるのに釣れない。
しかし、しばらく重い空気が流れた後、ついにJr.に来ました。岸から数mの浅場でヒット。
これも40オーバーのニジマス。周りが大騒ぎする中初めて仕留めた魚を手に。本当に嬉しそう。
Jr.も1本!
オメデトウ。いい顔でした。

オーシ、三分の二義務達成。その刹那Papasaurusさんにもヒット!
生涯で初めて掛けた魚です。これがバレたらトラウマ確実。祈りました。そして、無事ゲット。
  
オメデトウの嵐の中ご本人は本当に嬉しそうでした。ホントヨカッタ。スイルさんお疲れ様でした。

本命のバスをまだ釣ってないけどニジマスはフライマンの憧れヨカッタネ、と勝手に脳内で理論を展開し、勝手に使命完了としました。

スイルさんと鋭い視線を一瞬交わした後、二人で友を後にしました。
さっき洗われた心は何処へ。兄弟よ、さらばだ。アディオス。グットラック。竿を振れ。魚影を探せ。さらば報われん。私はこの時兄弟を見捨てたのです。


2.追い上げ

普段はフライフィッシングの仲間と「記録より記憶に残る魚を釣りたいよね」とか言ってますが、
初めて参加する競技にテンション上がって気持ちは漁師モード。オーシ釣ったる。

魚どこやオラオラと、先ずは状況分析。池を見回すとほぼ全周に皆が散って竿を振ってます。
有名な慶子ポイントにスイルさん。長身を崖に貼り付けて長いリーチで水中の沈木を探っているのが見えます。下流の石積堰堤にセミプロさん。大きな水しぶきが見えるのできっとデカルアーで大物狙い。
その横の浅い入り江の岸に師匠、トムさん、ビギさん。竿がコキザミに上下しているのでラバージグでしょうか?。
で、オラは何処に行けば良いのやらおろおろ。下手な考え休むに似たり。考えも纏まらないので皆の状況を聞いて廻ることに。すると、その時点のトップは25cmを上げたビギさん。すでに5−6匹は釣った模様。
すごい集中力で釣っています。ちょっと近寄りがたい雰囲気。セミプロさん22cmでやはり4−5匹、
トムさんも22−3のを筆頭にやはり数匹。その時点で私は菱兄弟に教えながら釣れた20cmのミニサイズ一匹だけ。マズイ。今日は、最大魚を釣った人が勝ち。午後に行く予定のシンガルは釣れれば大きいが出ない日もあると聞いている。やはり、このサンジでトップに出ておかないと勝てないと考えました。
しかし、すでに有望ポイントは皆が一巡した後だし空いてません。何となく空いている石積堰堤で小魚を模し
たシャッドミノーを投げ始めましたが、無反応。挙句に根がかりしてルアー回収に時間を浪費。やはり、ここは「ニッコリ笑って聞き込み作戦」しかありません。

先ずはビギさんの横。お天気良くてよかったですねー。ラバージグで出ましたかー、なるほど。
次はトムさん。借りたルアー回収機のお礼をニッコリ言いながら釣果をチェック。ラバージグで、フンフンなるほど。次は国士師匠。師匠は新調されたベイトルールの調整中でしたので拝借して試投。やはり高級品はいいです。スイルさんは聞かなくてもきっと得意のミミズルアーの胴突仕掛け。セミプロさんは各種魚型ハードルアー。しかし皆さん口を揃えて低調だと。

残り時間は30分。魚はいる。でも食わない。
ならば、と誰もまだ魚に見せてないキラキラと水中で羽根が回転するスピナーベイトに賭けることにしました。その時、大物で有名な慶子ポイントが空いているのが目に入り移動。
崖がそのまま水に入り込んだところに数箇所木が沈んでいてやはり一級ポイントの様相です。
端の沈木から順番に一本ずつスピナーベイトで探りますが、全く無反応。
やっぱり皆に叩かれた後はダメか、と弱気になりつつ最後の沈木を覗くと・・イターーーー!
25cm位のが水深1mの木の後ろにべったり張り付いてボーとしています。
皆に叩かれた後なのに、余程腹が減ったのか。すぐにルアーを投げ入れたくなる気持ちを抑えて、先ずはなるべく身をかがめてゆっくりと7−8mほどその場から離れました。
目はあっていないので大丈夫と自分に言い聞かせ、そこにしゃがんだまま2−3分じっと待ちながらルアーの見せ方を考えました。時間から考えてラストチャンス。魚は崖の方を向いて木の陰に隠れる形で浮いてたので、その木と崖の間にルアーを通せば目の前の木の裏にルアーが横切っていくのが見えるハズ。
と勝手に想像。想像して思い込まないとルアー釣りはアホらしくて出来ません。
崖と木の間は1m位。そこを狙ってルアーを放り込みます。珍しくブレずに狙った場所に入り、糸を通じてルアーの羽根がクルクル回りながら沈んでゆく感覚が、さらに木にコンと当たったな思った瞬間、ドンと来ました。
釣り味を楽しむ余裕は有りません。とにかく早く取り込む為に力任せにオラオラとハンドルを廻して取り込みました。
これが今回優勝を決めてくれた27cm。普通このサイズじゃ勝てないと思うのですが、この日の午後行ったシンガルの条件があまりに悪く、結局これで勝たせてもらいました。
証拠写真を撮ってリリース。またあの木のほうへ泳いでいきました。ビギさんとの差は2cm。
ひょっとすると誰かかがサイズアップしているかと思い、同じ場所にまたキャストすると今度は小型が釣れました。結局同じルアーでそこで5匹。兄弟姉妹でしょう。
皆最初のより小型。やはり韓国。年長者からご飯を食べ始めるようです。ここで丁度時間切れ。
駐車場に戻るとこの27cmがまだ最大でした。この時点で菱兄弟のことはすっかり忘れています。
頭の中は午後の作戦で一杯。兄弟よ許せ。



3.ああ、シンガル貯水池

シンガルに到着してビックリ。釣り人が一杯います。
これだけいれば誰かが釣れる?
釣れそうなポイントは特に密集状態。ここで2流3さんとナドプロさんが合流。そしてまた散開。
このポイントに真冬も通われて大物を何匹も仕留めているトムさん、ビギさん、セミプロさん、すいるさんにポイントを教えて貰いましたが、確かに大物が出そうな良いポイントです。
冷たい風が吹き出しましたが、そこだけは風裏で平和です。いいポイントです。

そして、開始直後に2流3さんにヒット。しかし、バレてしまったそうです。残念。
その後、あたりも何にもありません。それでも、皆真剣にルアーを色々換えながら臭いポイントを探っています。
周りに沢山釣り人がいますがだれも釣れてません。どうも前日の土曜日にさんざん叩かれてしまったか、急な気温低下で魚の元気がないのか。。
私のオラオラ漁師モードも電池切れ。辛い時間が続きいよいよタイムアップ。
この時点で私の優勝が決まりました。27cmで勝ってしまったことと、菱兄弟を見捨ててしまったことで100%喜べませんでしたが、初めてクラブに参加させてもらい皆さんと楽しく釣りが出来たこと、初めての競技を楽しませてもらったこと、菱兄弟の筆おろしを手伝っていただいたこと、反省会でトムさんのおいしいお酒を頂いたことに対する感謝の気持ちで胸は100%満たされていました。
皆さん楽しい釣行にお誘い頂き本当に有難うございました。特に計画、立案、実行にご尽力頂いたメンバーの方には改めてこの場を借りて御礼申し上げます。次回もニッコリ近づいたら色々教えて下さいね。
Copyright(C) 2007 Seoul Tsuri Club All rights reserved