キョンジ釣り 練習編

日時:6月6日 
場所:清平湖
文責:ウォンバット

6月6日の水曜日、戦没者追悼日のお休みに、国士無双さんから清平湖(チョンピョンコと読むそうです)ダム下流のヌチ釣りに誘われました。 その週の土曜日が釣りクラブの例会なんで、下見を兼ねて行きませんか?とのお誘いです。

(大名釣り)
東部二村洞をAM7:30に出発、本日は国士さんの車、それも運転手つきの豪華な釣行です。現地でもパラソルつきの船を舫って、艫に二人並んで釣るんだとか・・・ 
川釣りはここ5年ほどやってないけど、今日は久しぶりに豪華な釣りになりそうです。
日ごろ吹きさらしの海の上で、幸田露伴の云う「ヤタイチの恰好」か、鳥羽一郎の世界で海釣りやってる者としては、大名のような境遇の釣りになりました。

(釣具屋さん)
約1時間で、ソウルの北東、清平湖のほとりに到着、仕掛けを買いに「天池Leports」
(スペルは誤字ではない)という釣具屋さんに入りました。 
ここで、本日のご当地仕掛け、キョンジという糸巻き付きの竿を購入します。 
国士さんは既に何回かの経験者で、仕掛けも立派なものを用意していらっしゃいますが、
私は全くのズブシロ、見るもの聞くもの、総て珍しい、の一言でした。 
この釣具屋さん、オーナーは若いけど日本語堪能、釣りの造詣も深くとってもお薦めの釣具屋さんです。(Tel 82−31−585−6614、代表 辛承夏)

(清平湖)
清平湖は、「湖」といっても韓江の上流の、ダムの放水口付近に広がる、開けた川になっている処です。 午前、午後に放水があり、この放水中が、流れが強く魚の活性の上がる時間帯、12時から1時は放水が止まる為、お食事タイム、と別にダムまで船宿に加担してるわけじゃないんだろうけど、とってもよく出来たシステムです。
湖岸に東屋を立てて、幟を翻したボート屋が並んでいる様は、日本のボート屋やアユのオトリ屋にそっくり! 
狩野川で昔やったアユ釣りを思い出しました。

(いざ出船)

船頭さんに3杯纏めて引き舟してもらい、いざ出船! 天気晴朗、波は高くなく日露戦争と違って、至ってよいコンディションです。 橋げたを超えて、国士さんのいつも行くポイントの少し上流で、我々のボートに碇を打って貰い、艫にもアンカーを打って船を固定しての釣りになりました。

(キョンジ)
ヌチとは、和名ニゴイ、日本では先ず釣りの対象にはなりません、理由はこの魚がえらく環境汚染に強く、どんなところにも出没する事と食べてあんまり上手くないためだ、と思います。 
当地ではメウンタンで結構珍重されるんだとか…  
船を流れに舫って、コマセ袋を下流に流し、竿長50センチの穂先がはえたたきそっくりの糸巻きになっている、「キョンジ」という竿で、ヤマベのあんま釣りみたいにしゃくりながら糸を伸ばして探ってゆきます。 始めはまあ、誰にでも釣れるんだろう、と高を括っていました。

(経験の差)
ところがやってみると、糸巻きから糸がバラけたり、タナ取りが上手く行かなかったり、と悪戦苦闘、それに比べて国士さんは慣れたもの、昔の蝿取りデー(かなり古い!)のように、ハエたたき(キョンジ)をひらひら振りながら、すぐに1匹、また1匹、とヌチを確実に掛けてゆきます。 こっちには当たりさえなし… 川風に吹かれてビールは旨いし、「いやあ、来てよかったですねえ」なんて悠長に構えたようでも、内心まずいなあ、と思い始めました。


(メウンタン)
とうとう午前中は、国士さん、中型のヌチ6匹に私は坊主、当たりさえでない! う〜ん、むずかしい!! 顔はニコニコ、内心イライラで川原に上がりました。
ここからはランチタイム、定番のヌチのメウンタンは敬遠して、日本でも定評のあるナマズのメウンタンで国士さんとの酒盛りと相成りました。


このメウンタン、すごく辛いけどビールに合って抜群に旨い。 国士さんは話してみると、東横線は新丸子のお育ち、同じ路線の白楽で育った私と釣りでは共通の話題がいくらでも出てきます。 昭和40年〜50年代の海、山、川を語って往時茫々、酔っ払って久しぶりに大変楽しい午餐になりました。 良い釣友(先輩に失礼)は本当に貴重です。



(大物)
動きたくなかったけど、やっぱり1時過ぎに船でポイントまで、今度はもう少し上流の3メートルほどの深みにポイントを移しました。 キョンジ釣りのベテランの人の隣に船を舫って午後の部開始、相変わらず国士さんがすぐに一匹掛けます。
次に私に、何か重いな、という感触がきて糸を取ったところ大きな引き、始めての魚で慎重にやり取りしました。 上がったのは42センチのヌチ、本日一番の良型でしたが、きちんとあたりを取ってないので、うれしいけど何か恥ずかしかった。
(ベテラン)
隣のヌチ釣りのベテラン、この人はすごかった! 大物から中物まで満遍なく次々に魚を掛けます。 型も50センチ以上あるか、と思われる大型をうまくなやして上げている、横で見ていても本当に上手い人でした。 見ていると、糸の送り込みや誘い方がとても丹念で、ヌチを馬鹿にしていた当方が恥ずかしくなるほど、キチンとした釣り方です。 やはりどんな釣りにもコツはあるもんだなあ、とただただ感心。 魚が「ヌチ」なんじゃなくて、私が「ムチ」だったんです…


(キョンジ)
国士さんがほれ込んでる、キョンジ、という竿、これの真価は大物を掛けてみて初めてわかりました。 引きの強くない時には、糸巻きに糸を巻きつけられますが、大物が掛って竿先が魚に向くと、自動的に糸巻きの糸が出て行きます。 ドラグ機能付きだったんですね。 なるほど、これなら魚の大きさ、糸の太さに合わせて最適な調子のキョンジ竿が作られるのもわかるし、良いものは高価なことも良くわかります。 やはり釣りは実践でしか判らないし、フィールドで考えるのが一番! 最近釣りの腕、落ちたかなあ?


(そして)
山にはカッコウが鳴き、微風快晴のほんとに絶好の釣り日和の中、4時半に上がりました。

国士さんが38センチの大物を筆頭に9匹、



私は1匹、42センチの大物ながら間違って掛っちゃったようなもんで、本日はいいところがありませんでした。
ただし、自分の人生の中で(大げさか?)初めての魚、初めての釣りはとにかく印象に残ります。 国士さん、良い釣りをさせて貰いました。 この釣り、ちょっとハマりそうです。 また連れて行ってください。 有難うございました。(運転手さんも!)



9日の土曜日、釣り部の皆さん、がんばって!!

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