チュソクの清平湖、キョンジ釣り

日時:2008年9月14日
場所:韓江、清平湖の流れ出し
釣り人: 国士無双、ウォンバット(文責)


昨年も連れて行ってもらった、清平湖のキョンジ釣りにまたまた国士さんから誘われました。

私にとってキョンジは1年ぶりの釣りになります。 この釣りは韓国伝統の釣りとして、是非覚えてみたかった
のですが、前回は初めてで勝手がわからず、国士さんと釣果に大きく差が付いたので、今回は
色々と考えて、満を持しての釣行になりました。

当日は7時57分、清涼里発の電車に乗り、約1時間で清平に到着、ここから船宿のランクルに乗って
10分ほどで、昨年来た懐かしい川辺の船宿に着きました。 満々と流れる韓江の水色も良く、本日の
期待に胸が高鳴ります。

夏場の食い渋りが終わり、今は秋の荒食いの時期に掛ってきたとか・・・・ 日本でもコイの秋の
荒食いは絶好のチャンスだけど、ヌチ(高麗ニゴイ)も丁度おんなじ感じなんでしょう。

 キョンジは韓国だけの釣り方で、川キョンジと湖のキョンジがあり、湖のキョンジは多分この
清平湖の流れ出し位しか行われていないのではないか、との事。(すべて国士さんより)

丁度、ハエたたきにそっくりな竿(?)の、たたく場所に1.5号の道糸を50メートル巻き、先には推定5〜10号の
中通し錘をつけて、1メートルほど先に丸セイゴ6〜9号程度の小さなハリ。  エサはサシを房掛けにして
舫った船からコマセを撒きながら、ゆっくりと竿を振って糸を出してゆきます。

シーズンが良くなってきたせいか、川の至る所に竿を出している人たちが・・・ 遠くから見ると、ヨイヨイの
じいさんが蝿追ってるようで、なんともさえない釣り姿ですが、心の中は闘志満々、最大1メートルはあろう、という
大物ヌチを狙って虎視眈々、なんであります。

実際、国士さんも何週間か前にここで、糸の止まらない大物に50メートルの道糸を全部引き出された
挙句、障害物に駆け込まれてバラしたんだとか・・・  天気晴朗、風もなく、我々2人、ハエたたきを握り締めて
ゆるゆると糸を伸ばし始めました。
スタート直後に私にグイッと当って中型のヌチがまず一匹、 幸先が良いです。 先回は大物ながら1日で1本だけ 
だったのでまずは安心して釣りが始められました。
国士さんに大型のピラミ(ヤマベ)、この川のヤマベは日本で言うイワシヤマベで体高があり、中々立派ですが
本日の本命はヌチ、それも何とか大物を、というので、ピラミはさりげなく船の生簀にポチャンッです。

私もピラミが掛りますが、流石にピラミの数は圧倒的に国士さんの方が上。 ところが本日はどうした事か暫くすると、
置き竿にしておいたキョンジが、グンッと絞り込まれ、40センチ近くの大物ヌチが私の方に掛りました。
その後、どういうわけかベテランの国士さんを差し置いて、私の誘いにガツと当って、大物! 置き竿にも
グィッ、とうとう午前中は私がヌチ6本、国士さん1本、と前回と丁度逆の展開になってしまいました。

本日はこれも国士さんのご提案で、船を2艘借り、置き竿を出して一人一船でのんびりやっていたのですが、
ほんの近くに並んで舫っているので、場所が決定的、ともいえない状況。  腕の差なら自慢じゃないけど国士さんの
方が年季が入っていてはるかに上! どう見ても私がヌチに好かれている、としか思えません。

考えられる唯一の原因は、ジャ〜ン!  ナオミグッズ!!  当日は、昔懐かしい 黒潮一発会のスポーツタオルを
首に巻いて挑戦しました。  これが本当に効いた?!
12時半から2時半までは、お食事、お昼寝タイム。 ビールも食事も旨いし、川風に吹かれながらの昼寝は
何にも増しての楽しみです。 本日は韓国の中秋節、満月のお祝いで、お団子が出ます。
川にはススキの穂が一面。  空は真っ青で、良い満月が見られるでしょう。
以前もそうだったけど、中々起きたくないのをシブシブ、と行った形で起き上がり、午後の部スタート。 暫くは
食いがとまって、時々ピラミや名前不明の小魚(日本のモツゴみたい!)が掛ってくる他はあたりがなくなりました。
ところが5時を過ぎた夕刻、辺りが少しずつ暗くなると、置き竿に大きな当たり、あわせると相当な引きで
クラブの記録、43センチのヌチが上がりました。
ヌチはコイ科の魚なので、走る時の引きは力強いものがありますが、反転して逃げる瞬間のスピードは
サケマス科の魚に比べて随分鈍いことが判ってきました。

最初はキョンジを使って取り込んでいましたが、後半はコツがわかって、途中から手探りで糸を取って
タマに誘導するようになりました。 ハリスを極端に長くしているので、竿では取り込みにくい、という事もありますが、
海で覚えた素手の手繰りで、魚をなやす楽しさを思い出したからでもあります。
夕マズメの好機に、私は3本、国士さんも3本でしたが、型は圧倒的に私の方が上でした。 なにかこの釣りに
ずっと打ち込んでおられる国士さんに悪いような釣果。 まあでも、釣りはこんな事もあるんでしょう。
多分並んでいても、2〜3メートルのポイントの違いに、水面からはわからない、川底の違いや澪のよじれが
影響しているんじゃないか、と思いました。
夕マズメにもっと伸ばしたかったけど、当たりが出だしたところで6時半にお迎えが来てストップ。 本日は船宿の
お母さんの所に、娘3人の家族が集まって、BBQとお月見大会、その後、大花札大会なんだって!
船宿一族の団欒を乱してはいけないので、食いの戻った水面をちょっぴり惜しみながら納竿しました。

船着場に着き、釣果を見せると、他の船の人からも「オォ〜!」と言う声が漏れたので、我々の釣果は
満足すべきものだったんでしょう。 すべて国士さんに感謝です。

帰りは日もとっぷり暮れて、中秋の名月が・・・・  楽しい一日でした。 
釣りは本当にいいもんです。

(おしまい)

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