済州島ヒラマサジギング(修行編)


日時:2013年4月27日
場所:済州島、馬羅島
天候:晴れ
参加者:ナンデヤ、ソンオ、まっつん、ヒデキ(記)

ジギング・・・それも狙いは大型ヒラマサ。
自分がまさかこんな釣りをすることになるとは思ってもなかった。
でもこんな釣りはいつでもできるわけじゃない。
普段の釣りより、費用・時間・体力全て必要だけど、やってみるべし!
そう決めて、道具を揃えて初めて済州島ジギングに行ったのが2013年1月。
この時はビギナーズラックで開始直後に運良く1匹釣れました。

その時の釣行記
http://www.seoul-tsuri.net/2013/Cyoukouki/20130126/20130126.html

正直、この時はジギングを簡単と思ったのも事実。
釣り始めて一時間ぐらいで80cm位のブリが1匹釣れてしまったので・・・。
完全にビギナーズラックなのに。

だがその後、船酔いでダウン。
原因はライントラブルで、ノットを結び直す時に船酔いになってしまい再起不能。
人生初のジギングは、そのまま終了になりました。
この時、私は自分でFGノットを満足に結べないレベルでジギングに行ったのだから、
無謀でしたね。結局、幹事のソンオさんに結んでもらってました・・・。


2回目のジギングは4月13日。
とりあえずFGノットは部屋で50回以上は練習した。
ネットで調べると、PRノットとかビミニツイストとか色々なノットがあるが、
自分はFGノットが一番合っているようだ。
2回目も「多分釣れるんじゃない?」位の軽い気持ちでしたが、
ジギングはそんなに甘い釣りじゃない事を思い知ることになります・・・。

最大の問題は、自分自身の船酔いに対する弱さ。
正直、船には苦手意識があるし、ノットを結ぶのも部屋での練習と船上では
まったく勝手が違う。船上では手元なんか見続けたら、すぐに船酔いする。
折角、済州島までの手間と費用を掛けても、船室で船酔いダウンしているのは心構えがなっておらん!
と、反省して、今回(3回目)の釣行では船酔いに対する耐性を修行すべく、
飛行機のチケットを予約しました。

ソウル・済州島間の飛行機便は便数は多いですが、席が埋まるのも早い・・・。
大韓航空だけで一日に20便ぐらい飛んでます。
↓こんなニュースがありました。

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 2012年の「世界中で最も乗客数の多かった航空路線」、トップ10は以下の通り。

1位 韓国・済州島─ソウル:1015万6000人
2位 札幌(Sapporo)─東京(Tokyo):820万人
3位 ブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)─サンパウロ(Sao Paulo):770万人
4位 中国・北京(Beijing)─上海(Shanghai):720万人
5位 オーストラリア・メルボルン(Melbourne)─シドニー(Sydney):690万人
6位 大阪(Osaka)─東京(Tokyo):670万人
7位 福岡(Fukuoka)─東京(Tokyo):640万人
8位 香港(Hong Kong)─台北(Taipei):550万人
9位 沖縄(Okinawa)─東京(Tokyo):460万人
10位 南アフリカ・ケープタウン(Cape Town)─ヨハネスブルク(Johannesburg):440万人


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1015万6000人÷365日=27824人

多分往復での数字だから、片道換算だと半分の約14,000人が毎日平均してソウルから済州に行っている計算。
毎日14,000人って・・・、ちょっとしたの街の人口だぞ(?)

人気の無い午後早めの便とかは比較的取りやすいが、夕方~夜便は早めの予約が肝心です。
今回は大韓航空で行きました。

金曜日の夜に済州空港で釣行メンバーと待ち合わせして、いつものハイエースタクシーに乗り、
約一時間で済州島南西部のモスルポ港に到着。コンビニで買い物して、ナンガン旅館にチェックイン。

今回は3回目の釣行なので事前準備も分かってきている。
早速、ロッドにリールをセットしてリーダーを結びフックを付ける。
私は電動リールを使う。最初に道具を揃えるときに電動リールと手巻きリールで価格差が
そんなに無い(電動がちょっと高い)と分かり、だったら電動の方がラクだろ・・・という程度の理由。
実際はバッテリーの残量とか、電動ならではのトラブルもあり、心配する要素も増えると分かったのは
最近なんですけどね・・・。

ジギングでは、ノット結びはFGノット派か、PRノット派で分かれるが、私はFGノットを使っている。
部屋の中だと揺れも風も無いので、キレイなノットが出来上がる。
船の上の結び作業は、手元を見つめての船酔いを招きやすい。
明日は根がかりに注意して「ジグ着底、即巻き上げ」を徹底するようにして、
酔い止め薬を飲み、キミッテを張って就寝。

金曜日の仕事上がりで疲れもあり、いつものナンガン旅館は安心して寝れる。
旅館の主人は豆乳が大好き(?)で、いつも豆乳ジュースをくれる。
この日はそれも飲まずに体調管理に気を付ける。
とにかく今回は船酔いせず、もし船酔いしても、吐いても釣りを続ける覚悟。

翌q朝、6時半に出船。




モスルポ港から外洋に出た途端、ウネリが強くなるが、
ポイントのマラド周辺まで順調に進む。
波はそんなに高くない。ウネリもこの程度なら大丈夫そう。



手元を見つめるとヤバそうな眩暈を感じるので、水平線を見続ける。
意地でも手元は見ない!
どんだけ船酔いに弱いんだよ・・・(泣)

酔い止め薬とキミッテが効いているのかよく分からないが、
とりあえずは大丈夫そう。
前回も船を降りた途端に船酔いは収まった。
その感覚から、船酔いは精神的な要素が大きいと感じていた。
船に対する苦手意識や釣りに対する執着の度合いで結構左右される感じ。
何よりも船酔いで吐いて、頭が重くなっても釣りが出来ない事は無い。
要は「絶対釣ったる!」という気合があるかどうか、という問題に行きつく。

ポイントに向かう道中の一枚



ポイントに到着すると、周囲には既に同じジギング船がチラホラと来ている。
船長のブザーの合図で釣り開始。

300グラム前後という市販ジグのラインナップでは、ほぼ最重のジグを投入する。
この辺りは海流が早く、これぐらいの重さでないとジグの着底が分かりにくい。
ジグの種類はシルバー系のロングジグが実績が高いようです。

着底後はシャクリ(ジャーク)を入れてジグを動かしつつラインを巻き上げる。
最初は只の金属棒に見えたジグだが、水面から見えるところでシャクると確かに小魚みたいに見える!
こりゃ釣れるでぇ~、と思うがジギング対象魚は大型魚。ハゼみたいにポコポコ釣れる魚ではない。

ナンデヤさんはタコベイトを準備



特にここは済州島で狙いは大型ヒラマサ。
一日中やって、魚が釣れる時合は1~2回と思った方が良い。
その時合に、魚にジグを咥えさせて・フッキングさせて・ノットが切れずに・サカナを取り込んで・・・。
殆どの時間は、全身で重いジグをシャクり続けて、いつか来るアタリに備える、と言う修行のような釣りではある。
ただ、その時合の一瞬のチャンスをモノにする為にはジグを海中に入れて、シャクり続けないとどうしようもない。
何故こんなキツイ、修行みたいな釣りせにゃならんの?と、思うが、ヒラマサが釣れると、そのサイズ・重量感・達成感は
その辛さを全て忘れさせてくれる。1メートルクラスの大型魚が釣れる釣りが、そんなに楽で簡単な訳は無いのだ。

ただひたすらシャクる。
シャクり方も色々あって、ワンピッチジャーク・連続ジャーク・平戸ジャーク・ジャカジャカ巻き・ソンオジャーク(?)
等あるが、とにかく色々試してジグを水中で泳がせ(アクションさせ)続ける。
ただ、ジグ重量300グラムは重く、シャクり続けるには体力的にも正直キツイ。
しかも船は波のウネリでかなり揺れるので足元にも力を入れないとフラついて危ない。
船の揺れに、普段使わない足を踏ん張る筋肉も必要で、そりゃ筋肉痛にもなるわな・・・。

マラド周辺の水深は60~100m位が多い。
今日は潮の流れが弱く、着底は比較的分かりやすい。
ラインシステムはPE4号+リーダーフロロ80ポンドという、使ったこと無いの超ド級仕様。
こんなのが根かがりしたら切るのにも一苦労する。で、その後の船上でのノット結びもキツい。
セコイ話だが、高切れしたら高価なPEラインが勿体無い(PEライン、値段高いよ・・・)
根掛かりさせない為にも、ジグの着底には神経を使う。着底、即巻き上げが絶対に必要なのだ。

船長は魚探で探りながらマラド周辺を移動する。
金(兄)船長は経験も豊富で、過去の実績ポイントや潮向きのタイミングは熟知している。
しかもこの日はいつもとは違うポイントで大型のヒラマサが上がっているという他船の情報もあり、
こういった情報をすぐに当日の釣りに反映できる所も頼りになる。

紫のジャケット着てる人が金(兄)船長


ジグのシャクりは全身運動である。続けるとすぐに体は熱くなり、息切れを起こす。
1時間もやると座り込みたくなる位の疲労感を感じる。
これは他の人も同じで、船のポイント移動中は息を整える大事な時間だ。
時折、船長から「魚探にヒラマサが沢山映ってるぞ!」と言われて、皆も気合が入る。

今日は潮の流れが何時もより緩い。
ジグの着底が分かりやすいのは助かるが、魚の反応はイマイチ・・・。
ジグにバイトはあるが、乗らないアタリも結構あるようだ。
この辺りは午前中に時合が比較的集まりやすいとの事で集中してシャクる。

そんな中、ソンオさん、まっつんさんが良型・小型と釣り上げる。
船中で同乗者が釣り上げると、期待感が高まる!




そんな中、私にもアタリが・・・!
正直、着底からジャークするのに精一杯で、バイトなんて感じてる余裕は無い。
ジャークしている竿先にイキナリ「ぐわっっ!!」と重量感が乗ればそれがアタリ&フッキングだ。
最初は一瞬、何が起きたか分からない。
アレ?何か引っかかったか?と言う感じから一転、ロッドの先端が強烈に引き込まれ、
ドラグが滑ってラインが出ていく生態反応から「つ、釣れとるぅっ~~!!」と頭の中が真っ白になる(笑)
ジグも重たいが、このジグに食いつくような魚はもっと重たい。
根掛かりしたんじゃないか?と思うぐらいの重量感だ。

ロッドを脇に抱えてラインを巻き上げる。
こんな大型の魚と、やりとりできる釣りはそう多くない。
ヒラマサは海底の根回り生息していて、フッキングすると底方向に泳ぐ(逃げる)習性を持つ。
この辺りは底に根が多く、岩に巻かれたりしたらオシマイである。
フッキングしたら根に巻かれないためにも10m位は必死に巻け、と言われていた。

ぐうぉぉぉぉぉあぁ~!!とサカナの突っ込みに耐える!
気分は子供の時にテレビで見た松方弘樹のカジキ釣りだ(!?)

こんな時に電動リールは、この釣りを強烈に楽にしてくれる。
ある意味、魚の突っ込みに耐えて竿を適切な角度に保っておき、
ドラグを上手に調整してあれば、あとはモーターが勝手に巻き上げてくれる。
手巻きリールの人に言うと怒られそうだが、この「竿を適切な角度に・・・」と
いうのも相手が大型魚ならばそれなりにキツいのだが。

釣れたのは80cmクラスのヒラマサ。
ブリと違って脂身が少なく、肉質の身が美味しい魚だ。
午前中に釣れてくれてよかった。
一匹釣ると精神的に余裕ができるのはどの釣りにも共通している。




昼食は船長がカップラーメンを作ってくれた。
朝からの連続ジャーキングで疲れているが、今日は船酔いも殆ど感じない。
前夜、コンビニで買っておいたバナナと一緒に食べる。
昨晩から船酔い対策で食べたい物も食べなかったので、船酔いの解放感からも
とても美味しく感じる。
船酔いしなかったのは、サカナが釣れてテンションが上がっているからかも知れない。

食事後に20分程移動して、前日に大型ヒラマサが上がったというポイントを探ってみる。
船長同士で情報が共有されているのか、周辺には同じジギング船の姿も数隻ある。
午後に入り、魚の活性はそんなに高くなく、ポイント移動→シャクり→数分後またポイント移動、を繰り返す。
ジギングをやる前は、こんなに頻繁に船が移動する釣りとは思わなかった。





そんな中、ソンオさんにヒット!
竿の曲がり方やそれを支える体の姿勢から大物が来たと分かる。

「デカイよ・・・!」と絞るような声を出しつつポンピングで巻いて行く。
周りも自分の仕掛けを回収して見守る。
数分後、水面に上がったヒラマサをみて正直、絶句した。確実に1メートル以上ある!
このサイズは玉網に入れるのも一苦労。
計測すると127cm・20kgの大物。人間の小学生低学年と同じぐらいの大きさ。
今まで何もなかった水面から、こんな存在感のある物体がイキナリ出てくる・・・。
これが釣りの楽しみの一つだと思うが、存在感が大きすぎて現実感があまり出てこない(笑)
釣りって凄いなぁ。




さらに今日は珍しい魚が釣れている。
???(サカナの名前入れて下さい)だ



昼食は食べたけど、もうアカン・・・。
船はそれなりに揺れるし、朝からずっとシャクってて、疲れも限界に来ている。
だが今回は、船の一番いい場所であるトモ(最後尾)で釣りをしている。
船酔いに弱い私の為に、ソンオさん・ナンデヤさん・まっつんさんが気を使ってくれたのだ。
そんないい場所で、へこたれる訳にはいかない。終わるまでシャクり続けろ!

おりゃぁぁぁ~と色々なジャークを試していると・・・またもや「ドンッ・・・!」と言う感じの
根掛かりにも似たアタリ&生体反応。ドラグが滑ってラインがどんどん出ていく!

船長に「ドラグ止めろ!根に巻かれる!」と言われるがとてもそんな余裕は無い。
「指でスプールを押えるんだ!」と横から教えてもらう。
こういう修羅場の時のアドバイスは忘れがたいテクニックになる事が多い。船長、あざッス!

しかし、疲れもあるのか竿を持つ手が力が入らない。
また魚もトンデモナイ大きさの様だ。ひょっとしてオイラにもメーターオーバーが来たか?
気持ちは焦るが、体力は限界だ。腕に力が入らずに竿を水平に保持出来ない。
なんじゃ、この魚のパワーは???
こういう時、電動リールは本当に便利。竿の角度に神経を集中して、
リールの巻き取りレバーはずっとオンのまま。
魚が突っ込めばドラグが滑り、魚が止まれば自動で巻き上げてくれるという、
この瞬間だけは、これを作った人にノーベル賞を送りたい気分だ(?)

上がった魚は・・・90センチクラスのヒラマサ。
背びれ近くのスレ掛かりでした。


ジグを見てアタックしたらスレ掛かりしてしまったのか。
スレ掛かりは魚が突っ込んだ時に泳ぐ方向性に抵抗が無いので、魚のパワーがダイレクトに伝わる。
だからあんなにパワーがあったんだね・・・。
自分で結んだノットが切れなくて、それも良かった。
FGノット、練習した甲斐がありました。

この日、釣れたジグはやはりシルバーのキラージグ。
名古屋市にジギング用品の専門店で「ライジング」という店があり、済州島に数回、遠征経験のある店長さんに、
済州島・マラド周辺ではシルバー系ロングジグが一番良いと言われていた。
だから私は済州島では、このタイプのジグ以外は使ったことが無い。
運が良かっただけかも知れないが、定番であることは間違いなさそうだ。

ライジングHP
http://rising06.ocnk.net/

↑ソウル釣りクラブOBの方もジギング用品をここから仕入れている人がいるようです。


このお店に行って、ジグを購入がてら、最近のジギング事情を聞きました。
日本では、名古屋からメータークラスのヒラマサを釣るには、とんでもない遠征が必要で、
ソウルから飛行機に一時間乗って済州島に行ける私たちは恵まれています。
(ソウル釣りクラブでのヒラマサジギング遠征は日程や宿・船がほぼ固定されていて、
幹事のソンオさんの手配もスムーズで、何の心配もなく釣りに専念できます)

また最近、日本ではキャスティング(トップ)の釣りの方も釣法が確立されつつあり、
トップの釣りをやる人もどんどん増えているそうです。
まだあまり見かけませんが、あと数年したら済州島もトップ釣りの時代が来るかもしれません。


この日は船中で7匹釣れました。



ソウルに戻る飛行機の時間は8時半頃。
午後4時ぐらいに切り上げてモスルポに帰港。
釣った魚を持ち帰る準備をして旅館に帰り、着替え&帰り支度。
近くのモギョクタン(銭湯)に行き、体を洗う。
このモギョクタン、規模は大きくないが、港の隣だからか海水風呂と言うのがあって面白い。
何よりもジギングで疲れた体に、暖かい風呂というのは・・・最高です!!

行きと同じハイエースタクシーに乗り、済州空港へ。
飛行機は一時間でソウル・金浦空港に到着。

気軽にちょっと行って、カルく魚が釣れる様な釣りではありませんが、
メーターオーバーの魚が釣れれば一生の思い出です。
済州島ヒラマサ、今シーズンはもう行けませんが、来シーズンまた行きたいと思います。


終わり


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