はっち頼みの「なんちゃってバラマンディー」
--コップ&カップ??--

2007年1月26日
場所:バンコクから東へ車で50分 (地名:不明)

6時にガイドのスメットさんが迎えにくるから頑張って行ってらっしゃい。と肩をたたかれた。
初めての地で一人で釣りにいくのも不安だし、釣れるかどうか半信半疑だし、ガイドの気が変わって森に連れ込まれていだずらされたらどうしよう、だからハッチさんにも一緒に行きましょう!とお誘いの言葉をかけてた。

そうすると以下のような返事が…。草むらには蛇がいるらしい。

「う、うん。そうだね。
でも、蛇は普通の蛇じゃないんだよ。コブラだよ!コブラツイストでもかけられた日にゃ・・・
(若いおねーちゃんの卍固めならともかく)」

気候のせいか脳内はおねーちゃんに占拠されている様子で取り付く島もない。

AM5:55 ロビーに下りていくとガイドのスメットさんが声をかけてきた。
「ビギさんですか?」
おーっ!!日本語でコミュニケーションが可能なんだ!
「よろしくお願いします!」と二人はガッチリと握手をかわした。
スメッとさんの髪はオカッパ頭で、色は黒くオランウータンと会話ができそうな野生的な雰囲気をかもし出していた。
うん、この人ならどこにでも連れて行ってもらえそうだぞ。
「車を地下にとめたので、こっちへどうぞ」
マイロッド2本注意深く運んでくれるスメットさんは、流石に道具の扱いは慣れてるようであった。
出発の準備を整えると、自然に胸が高鳴ってくる。期待と不安。いや、期待のほうがはるかに勝る。
VOLVOの扉をバタンと閉めると、まだ夜が明けきらぬバンコクを釣り場目指して走り出した。

6:45 朝日が地平線から昇ってきた。明るくなった周りを見渡すと高い建物は見当たらない。田舎に来たようである。ふと前の座席のポケットにアルバムが入っているのを見つけた。
「アルバムを見せてもらって良いですか?」
「はい。どうぞどうぞ♪」
最初の1枚目から強烈だった。スメットさんがバラマンディーの尻尾を右手でつかんでぶら下げている。1mくらいはあるだろう。
「あの〜、わたしラインは15ポンドなんですけど大丈夫ですかね〜」
「まぁ、大丈夫でしょう。時間はかかるけど15ポンドでもあがります。」
その他にも歴戦の写真の数々。不安が勝ってきた。私にこんな釣りが出来るのだろうか?
メコンオオナマズを抱いている写真もあった。何じゃこりゃ!こんなの釣れるんかいな?
車は高速道路を降りて、いかにも東南アジアにありがちな湿った風景の中を進んでいく。途中から舗装されていない道路になり、凸凹で大きな水たまりを避けて通る。

しばらくすると、左手に看板が見えた。入り口を入ると、どこかで見たような風景。う〜ん、デジャブーか、と思ってよく考えてみると、な〜んだタプチョンの入り口にそっくりじゃん!右手に家があって、左に小さいプールがあって奥が池。なんか気が楽になったぞ。
でも、違うのは鳥の鳴き声で、今までに聞いたことがないような鳴き声だった。盛りのついた猫がポーポーと言っているような声。気味悪い。

車を停めて、ロッドをおろして準備にとりかかる。
先客が一人。

スメットさん 「ドウダイ?」
先客   「ダメダネェ」 
(想像です。そういう会話に思えた。)

「リーダーを付けないとだめです。エラが鋭いので15ポンドだと切られますよ!」
「えっ、そうなんですか。でも、そんなの持ってきてないです。」
スメットさんはリーダーを車のトランクから引っ張り出してくれた。プラスチックケースには「40lb Leader」と書いてあった。う〜ん手ごわい。

先ずはこれでやってみてください。と渡されたルアー。赤い魚の頭に黒い目玉で胴体は鈎になっている。へぇ。こんなの見たことないなぁ。でも、ここは現地の人の意見に従うべし。
「ゆっくり落として上げるんですよ。ゆっくりゆっくり」
10分ぐらいやってみまたが、何の変化もない。
先客のお兄ちゃんは一つ先の池で大物と格闘しているようであった。
バシャバシャっと大きな魚が水面を叩く音が聞こえてきた。見えないけれど強力な引きであることは容易に解った。
うらやましか。早くつりたいよー。朝マズメが終わっちゃうよー。と、釣れないといつも通り焦ってしまう小心者のビギ。
「じゃぁ、仕掛けを換えてみてください」
渡されたのはジグヘッドにピンクのワーム。
よーし、釣ってやる。
ちょっと沖目に投げてみると、“ゴン!”と魚信があった。
おっ!なんか普通と違う。今までに感じたことがない強力なアタック。
でものらない。合せ方が悪いのか。



「あの人釣ってるみたいです。向こうの池でやってみましょうか。心配しなくても大丈夫です。私が釣らせてあげますから頑張ってください。」
「次はこっちのルアーでやってみてください。タイ産なんですが釣れますよ。」
半信半疑になってきたが従うことにした。
すると“ゴーん!!”と来ました。すごい。
完全に向こう合わせ。ロッドを持っていかれそうになって、右手でリールを押さえて左手で巻こうと思っても巻けません。
「ゆっくり落ち着いてください。この引きを楽しんでください。」スメットさん。余裕のアドバイス。
私は必死で頭の中は空っぽ。何とか近くに寄せたい。
「巻いては駄目です。いまは我慢です。ゆっくりゆっくり。楽しんでください。」
水面に現われた魚は正にバラマンディー。怪力で暴れまわる。近寄ってきたかと思うとジリジリとラインが引き出されていく。すごい持久力。





やり取りるすこと数分。ようやく手元にバラマンディーが上がってきました。

このでっぷりとしたお腹は50センチオーバーです。


綺麗な体してます。抱きしめてあげたいくらいですが、そんなことをしたら死んでしまうのでやめときました。
池に放すとバシャと音を立てて「お前なんかに二度と釣られるもんか!」と悪態をついているように聞こえた。まだまだ元気なようであった。小憎らしい。
それから数投すると、また釣れた。同じ緑色のルアーだった。もう腕はガクガクになった。2匹しか釣ってないのに。


1オンス対応のロッドですが、根元から曲がってますね。




やったぜい!!


立て続けに3匹釣って態度が大きくなった。
「自分の持ってきたルアーでやってみます!!」

先ずはバスビル・ミノー。50投くらいしたかな。
ノーバイト。あれ?こんなはずじゃ??

続いて常吉。25投くらいしたかな。
ノーバイト。あれ?こんなはずじゃ??

見かねたのか、スメットさんはどこかに行ってしまった。

懲りずにライディングペッパー。25投くらいしたかな。
ノーバイト。あれあれ??

あきらめずにスピナーベイト。10投くらい。
そろそろ池を2週しそうになった。
「キター!!」「久しぶりにキター!!」ぐんぐんと引っ張ります。腕が疲れた。。。と思った瞬間にスポッと抜けました。バレマシタ…。
ふむふむ。スピナーベイトには喰いがたつんだ。

よーし次はシャッドクランク 青と銀色2m潜行
「キター。キマシター。スメットさ〜ん。やりました〜。」




いつの間にか横で自分の釣りに没頭しているスメットさんは全然つれてないみたいである。
「今日は風がありますからねぇ。」
「なんで釣れないのかなぁ」
「昨日はいっぱい釣れたんですけどねぇ。」
と、不満そう。

バラしたスピナベの味が忘れられず、その後何回も挑戦した。
が、結果は2回ばらしました。
やっぱり釣りが下手なんですかねぇ。

午後はスメットさんのスケジュールが詰まっていて、何でもミャンマーの国境付近まで釣りに行きたいというバカな日本人がくるので、ガイドするらしい。なんとも羨ましい話である。

「2時になりました。帰ることにしましょう。」
スメットさんは悲しげな笑顔で言った。ガイドとしては自分が釣っていることを見せられなかったのが悔しかったみたい。
「釣りは釣れないから面白しろいんですよね」
「そうそう。そうなんですよ。釣れないから色々と考えるんです。釣りは人生です。」
変なところで気の合う二人だった。

車に乗り込み、帰途につく。
心地よい疲労感と手に残るバラマンディーの匂い。高速道路に乗るとすぐにウトウトと船を漕いでしまった。
スメットさん、また案内してね。
次は天然のバラマンディーを釣らせつてください。



そして、この釣行記は夜の部へとつづく。